大阪芸術大学 アートサイエンス学科 の衝撃
妹島さんの大阪芸術大学アートサイエンス学科が新建築2019年1月号に掲載されてました。その他雑誌にも登場しています。
妹島さんの建築ってやはりきれいで、今回は形態の力強さが際立っていました。特筆すべきは、形態の美しさを邪魔しがちな様々な建築の要素が存在していない点です。
呑気に設計していると、床・天井に仕上げ材が登場し、天井内には空調機やスピーカーなどがでてくる。外部にもデッキやらがでてきて、スラブ厚+100mmくらいで幕板が回ってきたりと、とにかくいろんなものがでてきます。
ところが、それらの要素の収まりの工夫ではなく、そもそも要素が存在していない。
収まりの工夫とは別の次元で、徹底的に排することになのだろうと考えられます。
では、どのようなものを使っているのかを確認してみます。
1)内部床:コンクリートt150mm 表面硬化剤(シーゲイト:シールハード)
妹島さんの作品ではコンクリートの床を多用しています。光沢のある風景がちょっと映り込む床です。
このシーゲイト社の表面硬化剤は、金沢21世紀美術館も日立市庁舎なども使用しています。
メンテナンス性や耐久性があり、駐車場や倉庫にも使われています。
2)外部床:ウレタンFRP複合防水(双和化学産業:ポリルーフ)
外部の床であっても内部と厚みが変わらないような仕上げとし、なおかつ小口でスラブ厚以上の仕上げが見えにくくなるようにしたい、という趣旨に対して、最善の策と思える。
大まかに、ウレタン防水+FRP+骨材+仕上げ塗装
となっている。
3)空調・照明
ガラス側の床にペリメーター床吹き出しのSUSガラリがある。これは定石のやりかたで、金沢でもどこでも妹島さんの作品では見られます。
ダウンライトは打設時にすでに配線から埋め込み位置まですでに決定していないとなりたたない。
スラブ小口にスポットライトがいくつかついています。こちらもスラブ内配線を済ませています。
これらの点を踏まえて、そのうち見に行きたい。